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放射能泉(ラドン泉)の療養効果を高めるには、ラドンやその崩壊産物の物理・化学的特質を考慮しながら、入浴や吸入法をより効果的になるように工夫すべきだと思います。大切なのは、ラドン泉に入浴する場合には、同時に鼻からのラドン吸入が重要なことを理解して、浴槽を工夫することです。またラドンの溶解度は、浴水温が熱いより冷たい方がよく溶けます。このことは、臨床的にラドン泉を利用する場合に考慮する必要があります。
ラドン泉の浴槽は、できるだけ温泉から蒸散するラドンガスを逃がさないで、吸入も同時にできるようにします。しかし、わが国のラドン温泉の浴槽は、その点がほとんど考慮されていません。泉質のいかんにかかわらず、同じ形の浴槽です。福岡県二丈町にあるきららの湯は、単純放射能冷鉱泉で、ラドン含有量は222×10 -10Ciという高濃度です。ここでは、源泉からのラドンガスをできるだけ逃さないように、浴槽をガラスパネルで囲むという工夫をしています。ラドンは空気より重いので、浴水面近くに溜まり、入浴と同時に吸入が可能です。このように、ラドンガスを積極的に逃さないような工夫をしているのは、わが国ではあまり見かけません(写真1)。
ただし、この温泉はラドンガスだけを含む単純冷鉱泉なので、このような構造が利用できます。もしも二酸化炭素ガスCO2や硫化水素ガスH2Sなどの重いガス成分が混じっている場合は、このような構造にすると、これらのガスをも吸入することになり、中毒症状を起こす危険性があります。この場合は、浴室床面での換気を完全にしなければなりません。 オーストリアのバード・ガスタインでは、個人治療用のラドン泉浴槽があり、その特殊な形から特にガスタイン式浴槽Gastein Wanneと呼ばれています。写真2のように、浴槽の縁は浴水面から十分に高さがあり、入浴しながら吸入もできるように工夫されています。また、浴水表面を特殊なカバーで覆って、ガスを逃さないようにしてある浴槽を利用しているところもあります(ベルグラト・ベスト浴槽Bergrat BestTub)。(以下次号へ続く)
出典:みんかつ2006より